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【後編】観光立国1位。なぜフランスは世界中から人が訪れるのか

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2016年に2400万人という過去最高の訪日外国人を記録した日本。しかしその3.5倍8400万人が訪れるフランスは30年間観光客数世界一の記録を保持し続けている。なぜ世界中から人が集まるのか文化や地理だけではないフランスの魅力を生かした様々な理由があった。前後半に分けてその秘密に迫る

Contents

 

観光客向けの情報サービスの充実

①政府観光局インフォメーションセンター

世界中どこの国からフランスを訪れたとしても情報に困ることがありません。フランスには政府観光局インフォメーションセンターがあり、そこではフランスの人気場所についての情報を必ず得ることができます。政府観光局インフォメーションセンターはパリにオフィスを6カ所構えており、スタッフは10カ国語話すことができるからです。

②フランス観光サイトの充実

世界中からフランス観光サイトを利用ことができ情報は何でも得ることができます。そしてサイト上でチケットを購入することもできます。日本向けページ http://jp.france.fr/

季節の情報、イベント、地図、観光ツアー、美術館、コンサート、観光バス、ホテルの予約など、観光客はフランス語と英語が話せなくても、簡単に旅行をするための支援が得られるのです。

 

お金を約4倍も使うビジネス利用

インバウンドというとショッピングや周遊利用のイメージが強いかと思います。が、フランスの観光立国に押し上げている要因としてビジネス利用が多いことも特徴的なポイントです。フランスでは毎年、国際的なイベントが約1,100あり、展示会や国際会議などの催しのために世界中からビジネスマンが訪れます。ビジネスでの利用は滞在期間が短かくとも、
普通の観光客と比較すると約4倍お金を使うため観光の発展につながっているのです。こういった理由からイギリスもビジネス観光客の数を増やしたいと考えているようです。

政府のサポート政策

フランスの政府は2020年に一億観光客を目指します。そのために、フランス各地域に毎年3000万円程度の予算を配布し、競争関係を作り出しており、毎年、各地域の効率を評価してランキングを出版します。

Atout France

フランス政府はAtout France という観光開発機構を通じて、インバウンドとアウトバウンドのマーケティングをしています。この開発機構はフランスの魅力を高めるために、自治体や企業をサポートします。オフィスは世界中33国にあって、各国でフランスの魅力を伝えています。この活動によりフランスに良いイメージが浸透し、観光客が訪れるきっかけになっています。

課題

観光立国1位にも課題はあります。フランスは世界一番観光客国にも関わらず、
意外なことに観光収入ランキングは1位ではありません。2位3位と続くアメリカやスペインのほうが観光客収入が多いというレポートがあります。なぜなら、観光客はフランスに行くとき、平均で7泊に泊まりますが、アメリカなら2週間くらい泊まりますから。今の課題は滞在宿泊期間を長くすることです。

いかがだったでしょうか。立地の利点は高く恩恵をもたらしていることは事実ですが、交通や情報サービス、政府施策など日本も真似すべき点は沢山あるかと思います。今後も世界的に旅行する人口は増えると考えられているため、近いうちにフランスが観光立国1位ではなくなる日もくるかもしれません。日本は現在16位(2015年時点)オリンピックに向けて受け入れ体制を構築し、ベスト10入りを目指していけるようアレンジもお手伝いいたします。

インバウンド対策にお困り、今後のために情報を知りたいといったご要望でもお伺いいたします。info[アット]arange.co.jpぜひお問い合わせください。

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