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越境ECはWeChatを使え!WeChat Store徹底解剖3選

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WeChat内で商品を売るのは困難だ。よく聞く話だが、逆に1日で1億売り上げたぞー的な話もよく聞く。今回はWeChat Storeで成功している店舗に焦点を当てて、内容を見ていこうと思う。

■Xiaoxiaobao Mama

・WeChat ID: xxbmm123
・コンテンツ:ベビー用品
・フォロワー数:200万人
・デモグラ:0歳~6歳の子供を持つ女性が90%
・売上:3,000万元/月額(約5億円)
・やり方:グループ購入、限定セール

アカウント自体は2014年の4月からスタートしており、かなり初期からWeChat Storeを活用していた数少ないアカウントの一つだ。2014年の終わりにはフォロワーが20万人いたというからコンテンツにもしっかり時間をかけて運用していたに違いない。現在、29万人の顧客がWeChat上に存在しており、CVRは15%、月額の売上は3000万元。一体全体どんなマジックを使ったのか解明していきたいと思う。

▼グループ購入

WeChat公式アカウントに入ってもらったら分かるだろうが、WeChat上に商品をまったく載せていない。代わりに7:30amに戻ってこいというメッセージが来る。7:30amに戻ると特別なセール通知をもらう事ができる仕組みになっている。毎週の配信自体は大体6個のメニューから構成されており、1つだけしっかりと子供に関するコンテンツを書き、残りの5つはセール特集のみに特化している非常にわかりやすい構成になっている。メッセージの最後には大体次のプロモーション内容が記載されており、ユーザーのアクティブ率を下げない仕組みになっている。

WeChat-shop-case-study

■Xiaoyu Private Kitchen

・WeChat ID: xiaoyusichu
・コンテンツ:調理レシピ
・フォロワー8万人
・売上:160万元/月額(約2500万円)
・やり方:事前予約、ビデオ、限定セール

フォロワー数自体は8万人と大した事ないのだが、ここはとにかくCVRが以上に高い事で有名だ。約600個の圧力鍋を1投稿で売っており、投稿が読まれた数でいうと、約20,000人しか読んでいない。そもそもCTRが25%の時点で驚異的なのだが、プロモーション無しでのCVRが3%というのは驚異的だ。

▼ネイティブ広告

ほとんどのコンテンツは料理レシピ動画につきる。こういったレシピ動画を長期にわたって配信し続ける事により、フォロワーは公式アカウントから何が配信されるかを予測しやすいし、非常に高いアクティブ率を維持することも可能だ。

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■You Shu

・WeChat ID: youshucc
・フォロワー数:700万人
・コンテンツ:書籍
・やり方:JD.comとのコラボ

You ShuはWeChatでオススメ書籍を紹介するアカウントだ。2016年2月に開設されたばかりだが、すでにフォロワー数は700万人に達している。コンセプトは非常に単純で毎週本を読もう。読んだらレビューをWeChatで投稿しよう。これだけだ。

▼WeChat Groupを多用

WeChat上でフォローしてくれる見返りにユーザーに何かを与える(クーポン、ディスカウント)は規約違反にあたり、アカウント自体がブロックされるリスクがある。たまにそういった事を行っているアカウントも見かけるが、報告されたら終わりなので、あまりオススメはしない。You Shuが何をしたかというと、シェアしてくれたらオススメ書籍を教えるよ。これだけだ。フォローを強制することは規約違反ではあるが、シェアすることによって、限定コンテンツが見れる導線は規約違反にはならない。つまり、このアカウント自体がオススメ書籍を教えるアカウントとなっており、フォローをするかシェアをするかしかオススメ書籍がもらえない仕組みになっている。フォローは強制的ではないが、シェアしないとオススメ書籍が読めない。なるほど、たまには利用規約を読み込んでみる事も重要なようだ。このような施策を行い始めている企業はかなり多い。エクササイズ系、メイクアップ系、子供の世話、問題解決型、料理レシピ…

▼JD.comとのコラボ

オススメ書籍をクリックするとJD.comに移管する。JD.com上で商品が買える導線となっている。「中国の歴史」という本がある。You Shu経由で917個も売れた本だ。版元が2ヶ月かけて売る数をわずか一日で売っているのがYou Shuだ。影響力が高い事がおわかり頂けるだろう。

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■おさらい

1.WeChat Storeで売れる事はすでに証明されている
ようは売り方の問題である

2.やりようはいくらでも
ようは売り方の問題である

3.ABテストはしっかりと
ようは売り方の問題である

以上、今後も中国のインターネット市場を様々な切り口からお伝えする。

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